Item179 幻のアイルランド……
滋賀の高島にはアイルランド交流館というものがあると、ガイドブックで紹介されていました。司馬遼太郎氏が「街道をゆく」で高島を起点とし、アイルランドを終点としたことから、両地は交流を続けており、それを記念して造られた<たかしまアイルランド交流館 びれっじ>には、アイルランドの特産品を展示・販売するアイルランド館や、アイリッシュ・パブなどがあるとのことでした。そして、その近くにはガリバー青少年旅行村とアイリッシュパークという施設もあるとのことで、楽しみにして行きました。高島の駅前ではガリバー像が迎えてくれて、雰囲気たっぷり。ところが、びれっじに行ってみると、アイルランド館もパブも閉鎖されてしまっていて、がっくり。びれっじ内のほかの館に、アイルランド館で展示されていたらしいものが少し残っているだけでした。古い商家を改装して造ったという、びれっじの建物だけ楽しんで帰りました。その日は雨でしたが、せっかくここまで来たのだからと、びれっじでもらった地図を頼りにアイリッシュパークまで歩いていくと、広がる田んぼの向こうに立派な建物が。パークというからには公園か庭園のようなものを想像して行ったのですが、なんとそこは生涯学習センターでした。見学できるようなものはなさそうで、またがっくり。でも、あとで調べたところによると、このホールの屋根に配された釣鐘はアイルランドから寄贈されたもので、ホールの中にはアイルランドの地形と旧高島町の地形をかたどったアイリッシュ・ガーデンがあり、アイルランド国花のシャムロックも植えられているのだとか。見られなくて残念でした。アイルランド館とパブが復活してくれれば、高島にもまた行きたいと思うのですが……。
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一乗寺といえば、忘れてはならないのが<葡萄ハウス家具工房>さん。和洋アンティークを扱うこのお店は、センスが光る品ぞろえでした。1階は食器棚や器、小物などが中心で、京都らしく和のものが充実していて、しかもリーズナブル。昭和っぽいガラスの食器など、欲しいものがいっぱいで困りました。2階は机や引き出し、椅子などが並んでいて、私の妄想がまたスイッチ・オン。「あの引き出しに文房具を収納し、あの文机を窓辺に置いて仕事をしたら、さぞかし……」。さてさて、このお店は倉庫風にいろいろな物がびっしりと置かれていても、見やすいようにきちんと整頓されていて、そんなところにもお店の人の気遣いが感じられました。お店の奥には家具を手入れする工房があるようで、金槌の音が聞こえてくるのもほほえましくて。近くにある2号店では北欧家具を扱っていて、本店とはまた違う雰囲気。2号店のディスプレイも素敵でした。
その2号店のすぐ近くには、これまた忘れてはならない<恵文社>さん。本屋さんとは思えないお洒落な外観を見ただけで心が躍ります。「本にまつわるあれこれのセレクトショップ」というコンセプトのお店ですが、そのセレクトはすばらしいのひとことでした。普通の本屋さんだと、興味のないコーナーは素通りしてしまいますが、恵文社さんは、どのコーナーも目が釘付け! とくに、住まいや建築関係の本は、どれも全部開いてみたくて困りました。そして、本のディスプレイのしかたが、また素敵。葡萄ハウスさんから取り寄せたというアンティークの棚や机に、きれいに飾られていて、眺めているだけでため息が出ました。生活雑貨や文房具、CDなどのコーナーやギャラリースペースもあり、これらも目が離せません。こんな本屋さんが近所にあったら、一日中そこで過ごしてしまいそうです。恵文社さんで見つけたカレル・チャペックの旅行記『イギリスだより』を読みながら、しばらくは一乗寺の思い出に浸ることにしましょう。
GWに出かけた京都と滋賀へ、また行ってきました。行楽シーズン、好天気、金曜日、給料日と、人出が多くなる要素が重なり、京都駅はたいへんな混雑。でも、鴨川沿いの遊歩道は空いていたので、自転車でのんびりと北へ向かいました。行く先は、前々から雑誌で見て憧れていた一乗寺。古都の風情を残しつつも、新しい洒落たお店が点在するこの町は、とても静かで、京都駅のあの混雑がうそのようでした。白川通を少し横に入ったところに、目当ての紅茶専門店<Tea Holic>さんは、ありました。白いドアと、お店の前に並べられているグリーンが印象的でした。店内は、すっきりした明るいインテリアのところどころにかわいい雑貨が飾られていて、ほっと心が和む空間。紅茶専門店というだけあって、さすがに紅茶の種類は多く、とくにアイスティーが充実しているようでした。グレープフルーツと紅茶のセパレートティー等々に心を引かれつつも、結局はいつものアールグレイ。「ミルクを入れてもおいしい」と書いてあったとおり、このお店のアールグレイは香りが少し控えめで、たしかにミルクに合いました。さらにおいしかったのは、ケーキ! 雑誌に載っていたバナナチーズケーキを注文するつもりでしたが、「オレンジのしっとりケーキ」というのを見つけてしまい、ついそちらを注文。このケーキ、スライスしたオレンジがたっぷり入って、しっとりした上品な生地も、やみつきになるおいしさでした。お店を切り盛りされている女性の方に尋ねてみると、ケーキは自家製とのこと。このお店は、日本紅茶協会から「おいしい紅茶の店」として認定されていますが、「おいしい紅茶とケーキの店」として認定されるべきだ!と思いました。今度はぜひバナナチーズケーキを食べに行かなくては。
スコーン作りって、簡単なようで難しいですよね。バターを指でつぶすのに、けっこう力がいったりして。スコーンミックスを使えば簡単ですが、なかなか思うような味は出ない……。でも、そんな悩みを解決してくれるスコーンミックスを見つけました。R.S.V.P.誌で紹介されていたGreen's スコーンミックスは、水を加えるだけで作れてしまうという、私のようなずぼら人間にはうれしいスグレものです。しかも、おいしい! 初めて挑戦したときには、生地が薄かったのとオーブンの温度が少し低かったので、柔らかいビスケットのようなものができてしまいましたが、2度目は生地を厚くしてオーブンの温度を上げたら、狼の口もしっかり開いた、香ばしいスコーンができました(写真の手前2つはプレーン、奥のものはダークチェリー入りです)。生地をあまりこねすぎないようにしたのも、よかったのかもしれません。たまたまその日、主人がパン屋さんのスコーンを買ってきてくれたのですが、それと食べ比べてみたところ、ふたりともGreen'sのほうがおいしいと意見が一致。R.S.V.P.編集部の方は「こういうスコーンミックスのわりにはおいしい」と言っておられましたが、「……のわりには」を抜きにしてもおいしかったです。このスコーンミックスを常備しておくと、明日急にお客様が来ることになった、というようなときでも困らずにすみそうです。
Item162で宝塚サラさんをご紹介しましたが、その続報です。Item174のガーデンフィールズへ行く前に、モーニングを食べに行ったのです。なにしろサラさんでは、いわゆるイングリッシュ・ブレックファーストを出しておられるということで、楽しみにして行きました。日曜日の朝でもすでにお店は混んでいて、この日はとくに宝塚大劇場でイベントがあるということで、いかにもヅカ・ファンらしい女の子たちの姿もちらほら。さて、メニューのほうは、主人がイングリッシュ・ブレックファーストを注文。お茶はセイロンティーかロイヤルミルクティー、トーストは薄切りトーストかシナモントーストを選べるようになっていたので、ロイヤルミルクティーとシナモントーストを。私はトーストセットで、セイロンティーを。こちらはトーストが選べませんが、きっと薄切りトーストだろうと思っていると、普通のトーストが出てきてしまったので、ちょっと残念。でも、トーストの焼き加減はちょうどいいし、バターやジャムはたっぷりついてくるし、主人の皿から取ったスクランブルエッグもおいしかった! 紅茶も、もちろんです。朝は濃いめの紅茶で頭をすっきりさせたいという人には、ちょっと物足りないかもしれませんが、すっきりさわやかな味でした。インテリアも素敵なので、「これがうちのリビングなら、ここにテーブルを置いて……」などと話し込んで、すっかり長居をしてしまいました。今度はまた薄切りトーストを食べに行くことになりそうです。
今日はぽかぽか陽気の中、宝塚ガーデンフィールズへ行ってきました。宝塚へは1月にも行って、ガーデンフィールズの前を通ったのですが、冬だったので花が少ないかなと思い、春を待つことにして帰ってきたのでした。宝塚ガーデンフィールズは、宝塚ファミリーランドの跡地に造られた施設で、外から見るとそれほど大きく感じませんが、中に入ってみると、その広さにびっくり。ペット・パークやレストランなどもありますが、私の目当ては、英国風ナチュラル庭園シーズンズ。英国人のガーデンデザイナー、ポール・スミザー氏の手によるこの庭園は、「街の中で季節を味わう」というコンセプトのとおり、どの季節に訪れても楽しめるように花の種類が工夫されていました(これなら冬も行けばよかった……)。ちょうど今はバラが見ごろ。温室やハーブ・ガーデンなどを見て、モッコウバラのブリッジを渡り、シークレット・ローズ・ガーデンに入ると、さまざまな種類のバラが咲き誇っていました。
濃いピンク色がかわいい‘アンジェラ’、さわやかな山吹色の‘グラハム・トーマス’、アーチを飾る純白の‘アルベリック・バルビエ’、ピンクに白い絞りが入った珍しい花色のロサ・ガリカ‘ベルシコロールなどなど。一度にこれほどたくさんの美しいバラが見られるのは至福の時。開催中の「フラワー&ローズショー」の一環として、隣の屋外ステージではジャズが演奏され、さらに雰囲気を盛り上げていました。英国では「庭は見るだけでなく、そこに滞在して楽しむためのもの」と考えられていますが、シーズンズではそのとおり、あちらこちらにベンチや休憩できる場所が設けられていて、ゆっくりと楽しむことができるようになっていました。今度はまた違う季節に行ってみたいものです。
リプトンの青缶といえば定番の紅茶。私はそのレトロっぽい缶のデザインと色が好きで、いつか買いたいと思っていましたが、なぜか最近まで機会を逃していました。先日たまたま<神戸グロッサリー>さんで少し安くなっていたのを見かけたので、ようやく手に入れました。ちょうどそれと時を同じくして、母から祖父(母の父)のこんな話を聞きました。「おじいちゃんは紅茶をいれるのがとても上手だった。それにハイカラな人で、茶葉はリプトンの青缶と決めていた。でも、ほかの人が同じ茶葉を使っても、おじいちゃんがいれてくれた紅茶ほどおいしくならないのは不思議だった」と。私が知っている祖父は、いつもひょうひょうとしていて、休みの日には家でゴロゴロしてばかりの、ごく普通のサラリーマン。だから、亡くなったあとで、祖父は戦時中は軍隊の偉い人だったと聞かされたときは驚きだったし、ハイカラとか家事とかとは無縁の人だと思っていたので、この紅茶の話もびっくりでした。私は祖父のことを何も知らなかったのかもしれない。もっといろいろと話をすればよかったな。そして、祖父がいれる絶品の紅茶を一度飲んでみたかったなと、今になって思うのでした。
Item89とGuest Essayでもご紹介した中野あかねさんの「すみれあかね展」が、今年も神戸でGW中に開かれました。昨年はスケジュールが合わなかったので、今年はぜひと思っていましたが、結局行けずじまいになってしまいました。今年はリッチモンドの風景が見られるとあって楽しみにしていたので、本当に残念でした。その代わりといってはなんですが、あかねさんがそのリッチモンドに行かれたときに買ってきてくださった紅茶をご紹介します。王室御用達スーパー、Waitroseのアールグレイのティーバッグは、そのパッケージが素敵。ブルーウィローのパターンと水色がさわやかです。紅茶の味もすっきり系。アールグレイは大好きという人と、クセがあって飲みにくいという人に分かれやすいと思いますが、このWaitroseは飲みやすいので、アールグレイ好きの私はゴクゴク飲むという感じで飲んでしまいました。初めて買ったアールグレイがFortnum & Masonの緑缶のものだったせいか、アールグレイといえば緑色のイメージだったのですが、今ではすっかり水色に変わりました。あかねさん、素敵なお土産をありがとうございました!
滋賀の次には京都へ行きました。今回は(今回も)とにかく歩いて歩いて。歩き疲れを癒すのにティールームへ行こうと思い、そのときに思いついたのが、四条の高島屋の2Fにある<ティーサロン ばらの木>さんでした。このお店ではスチュワード麻子さんプロデュースのアフタヌーンティーがいただけるということで、コース料理のように一皿ずつ順番に持ってきてくれるというサーブのしかたがおもしろいと思い、一度行ってみたいと思っていたのでした。でも行ってみると、やはり連休のせいか行列ができていました。京都らしく和服姿の方や、優雅そうなおばさま方ばかり。これはもう少しきれいな格好をして、ゆったりと楽しむつもりで出直したほうがいいなと思い、表の写真だけ撮らせていただいて帰ってきました。
アフタヌーンティーをあきらめて、再び街をぶらぶら。烏丸通りを歩いているときに偶然、一軒のティールームを見つけました。スタンド看板の「紅茶」という文字が目を引く<GRACE>さん。ついふらりと入っていくと、そこには静かで優雅な空間が広がっていました。シンプルなインテリアにシャンデリアやプリザーブドフラワーのアクセント、ガラスケースの中のお菓子は小ぶりで美しく、そしてお店を切り盛りされているのは、graceという言葉がまさにぴったりの、上品で素敵な女性の方でした。いただいた紅茶は香りがさわやかで、水色は鮮やか。おかげでリフレッシュすることができました。あとで調べたら、このお店は去年の秋にオープンされたとのこと。これからもずっと、安らぎの空間でいつづけてほしいと思います。
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