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2014年3月18日 (火)

Item273 ターナー展

Turner_a 神戸市立博物館で開催中の「ターナー展 英国最高の風景画家」に行ってきました。ターナーといえば難解な風景画が有名ですが、今回の展覧会にはテート美術館から油彩画、水彩画、スケッチブックなど約110点が来ていて、風景画だけではないターナーの豊かな魅力を存分に味わうことができました。

ターナーが初めてのイタリア旅行の成果として発表した《ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ》(1820年)は、横幅が3メートルを超える大作で、それだけでも圧倒されますが、1枚の絵の中に左、中央、右と焦点が3つもあるという、珍しい構図が楽しめました。また、当時のロマン主義の画家たちのあいだでは作中に過去の巨匠を描くことが人気だったということで、この作品にもラファエロが描かれているのがおもしろかったです。U.K. Postcard Galleryでポストカードをご紹介していますので、ぜひご覧ください。

Turner_b_2 こちらの《レグルス》(1828年発表、1837年加筆)という作品を見ると、ターナーが「光の画家」と呼ばれたゆえんがよくわかりました。敵国にまぶたを切られて陽光で失明した将軍レグルスの逸話を描いた作品で、レグルスが見たであろうまばゆい光を表現しているのですが、この絵を見ると本当にまぶしく感じられ、思わず目の前に手をかざしそうになりました。ただの白い絵具がなぜこんなにまぶしいのか不思議でなりませんでした。この絵はぜひ実際に見られることをお勧めします。

Turner_c_4 さきほど焦点の話をしましたが、ターナーは遠近法にとても長けていたそうで、ロイヤル・アカデミーで遠近法の教授をしていたとのこと。こちらの《ダラム大聖堂の内部、南側廊より東方向を望む》(1798年ごろ)の精巧さを見ると、その実力がうかがえます。彼が描いた建築物の絵をもっとたくさん見てみたいという気にさせられました。

ターナーがパトロンのジョージ・ウィンダムの屋敷ペットワース・ハウスのために描いたグワッシュ画の数々も見ものでした。屋敷のあちこちで描いたスケッチは色彩が美しく、当時の貴族の生活ぶりが生き生きと描かれていました。あとでポストカードを買おうと楽しみにしていたら、庭の絵のものしかなくて残念。サミュエル・ロジャースの詩集のために描いた挿絵の数々も、それはそれは美しく、ターナーはイラスト画家になっても大成功をおさめたのではないかと思うほどすばらしかったです。この詩集が欲しくなりました。その他、ターナーが愛用していた絵の具箱もおもしろかった。絵の具のチューブが発明される前には豚の膀胱袋を使っていたというのは驚きでした。そして、彼愛用の革表紙の小さなスケッチブックは、作りがなんとも素敵! これのレプリカを作ったら売れるのにと、関西人の私は、つい頭の中でそろばんをはじいてしまうのでした(笑)。

Turner_d ターナーの絵を堪能したあとは、近くの<Bar & Bistro 64(バー・アンド・ビストロ・ロクヨン)>に寄って、展覧会とのタイアップ・メニューの「フィッシュ&チップスのカレータルタル添え」をいただいてきました。なぜカレータルタルなのかと思っていたら、黄色はターナーが愛した色だからとのこと。本当はモルトビネガーのほうが好きな私ですが、このタルタルはいけました。この日は今年一番の冷え込みで雪も降ったものの、心はほっこり。ターナーにどっぷりと浸かって至福の一日でした。


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