2009年10月11日 (日)

Item206 金沢にて

Kanazawa_01 Kanazawa_02 Kanazawa_03 Kanazawa_04 金沢にふらりと行ってきました。昔ながらの町家が残るひがし茶屋街には<山屋>さんという紅茶茶専門店があります。昔のお茶屋さんを改装したという格子の建物の暖簾をくぐって入ると、テーブルが4つだけのこぢんまりとした店内は、とても静かで落ち着ける空間。大きな紅茶缶が奥にずらりと並んでいるのが印象的です。メニューは紅茶が約60種類、ケーキはパウンド・ケーキとチョコレート・ケーキの2種類だけで、本当に紅茶好きのためのお店と言えそう。私が注文したのはアールグレイ・シルバーという、シルバー・チップ(銀色の芯芽)入りの繊細なお茶。攻撃的な強い香りだというアールグレイ・ルージュにも興味を引かれましたが、この日はほっとしたかったのでシルバーのほうを。主人はドアーズという、渋みや苦みが少なくてミルク・ティーに合うお茶を選びました。紅茶は保温カバーをかぶせたポットに入っていて、クッキーと一緒に出されるのがうれしい。これをつまみながら熱いお茶をゆっくりと楽しむことができました。

Kanazawa_05 Kanazawa_06 金沢は、アンティーク雑貨や骨董好きにとってもおもしろい町です。新竪町にある<フェルメール>は、所狭しとイギリスのアンティークが並んだお店。オーナーが男性なので、キッチン雑貨は少なめですが、日常使いできそうなシンプルな雑貨やアクセサリー、道具類などがそろっていて、1つずつじっくり見ていくのが楽しい。ポートベロのマーケットをぎゅっと凝縮したような、味わい深いお店でした。新竪町から犀川を目ざして歩いていくと、川岸の緑地に金沢美術工芸大学の学生さんの彫刻作品が展示されていました。羊の頭がぽつんと置かれているのはびっくりしましたが、よく見ると、緑によく似合っています。イギリスのカントリーサイドのよう。

Kanazawa_07 Kanazawa_08 Kanazawa_09 Kanazawa_10 犀川の向こう岸には、ウィリアム・モリスが新婚時代を過ごしたレッド・ハウスを復元した、金沢ステンドグラス美術館があります。レンガ造りの建物の中に入ってまず目を引かれるのは、モリスの壁紙を張った部屋と、そこに並べられたモリスのグッズ。その左手が教会兼ステンドグラス・ミュージアムになっています。外から見たときにはただの茶色いガラスだったステンドグラスは、中で見ると一変。イギリス、ドイツ、イタリアのものが展示され、順に色が濃くなっていくのが興味深いところ。日があまり当たらないイギリスではガラスの色を薄くしないと、よく見えないのだそうです。逆にイタリアのものはカラフルで、描かれているキリストなどの人物がみんなイケメンなのも印象的。モリスが制作したステンドグラスもあり、彼独特の花や葉などの模様が美しく描かれていて、とても見応えがありました。ミュージアム内は撮影できないのが残念でしたが、ここで働いておられる人たちがうらやましいと思うくらい、すてきな場所でした。

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2008年12月 6日 (土)

Item190 ウェッジウッド展

Wedgwood 丹波篠山には年に一、二度出かけますが、この秋には兵庫陶芸美術館で「創立250周年記念 ウェッジウッド ヨーロッパ陶磁器デザインの歴史」という展覧会が開かれるということで、今回はその日程に合わせて行ってきました。私がウェッジウッドの食器に興味を持ったのは、青地に白いレリーフ装飾を加えた「ジャスパー」シリーズの美しさに目を引かれたのがきっかけだったのですが、本展ではそのジャスパーウェアが数多く見られて大満足でした。左のチラシに載っているのは、ローマ時代のガラス壷を黒のジャスパーで複製したもの。そのほか、日本ではめったに見ることのできない初期の試作品や、英国で女性初のロイヤルデザイナーとなったスージー・クーパーの作品など、見どころはいっぱい。ウェッジウッドの歴史の深さに感心させられる、充実の展覧会でした。U.K. Postcard Galleryでまたポストカードをご紹介していますので、よろしければご覧ください。

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2008年10月21日 (火)

Item188 パイプフェスト

Pipefest_a Pipefest_b 毎年世界各国で開催されているパイプフェストが、今年は関西で開催されました。スコットランドやアイルランド、イングランド、オーストラリア、香港、日本のバグパイプバンドが参加して、神戸では異人館やメリケンパーク、須磨水族館などを行進。夏のように晴れ渡った空の下、美しい音色を響かせてくれました。本場スコットランドで聴くのもいいけれど、近代的な建物と青空と海を背景に聴くバグパイプはまた新鮮で、なんとも心地のよいものでした。このパイプフェストに合わせたのか、いつもは磯上公園で行われていた関西ハイランドゲームスも、今年はメリケンパークで開催。種目はダンスとパイピングだけになり、フードやグッズのお店もなかったのは残念でしたが、そのかわり、コンテスト形式のパイピングは聴きごたえがありました。まるで音楽のテストでも受ける生徒のように、参加者のみなさんは緊張の面持ちで、出番を待つあいだにあちこちで練習しておられる光景が印象的でした。演奏のよしあしはわからない素人の私ですが、しばらく聴いていると、おひとりずつ微妙に違いがあるのがわかってきて、こんなふうに聴き比べてみるのもおもしろいものだなと思いました。演奏中に船の汽笛が鳴り響いてパイプの音をかき消してしまうという、神戸ならではの気の毒なハプニングなどもありましたが、子どもたちのダンスもかわいらしかったし、心和む秋の素敵な一日になりました。せっかくのいいイベントなので、進行表を配るなどして、もっと一般の方にもPRされたらいいのに。また来年が楽しみです。

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2008年10月 7日 (火)

Item186 芸術の秋

Yakimono 先日、信楽へやきものを見に行ったとき、県立陶芸の森にふらりと寄ってみたら、陶芸館で「やきもの動物パラダイス―バーナード・リーチから形象土器まで」という特別企画展が開催中。バーナード・リーチの名前につられて入場してみると、身近な動物をモチーフにした世界のさまざまな焼き物が紹介されていました。リーチの作品《ガレナ釉獅子文皿》(1925年)は素朴で力強く、鮮やかながら優しい色遣いを見ていると元気がわいてきました。河井寛次郎氏の《魚鉢》(1951年)も展示されており、こちらは素朴さに繊細さが加わって、見ごたえたっぷり。折しも『家庭画報』で「民藝」の特集記事を読んだところだったので、たまたま寄った展覧会で関連作品を見ることができてラッキーでした。

Pissarro 信楽に行った翌日は京都へ。美術館「えき」KYOTOで「オックスフォード大学・アシュモリアン美術館蔵 印象派の巨匠ピサロ―家族と仲間たち―展 」を見てきました。カミーユ・ピサロはフランスの画家ですが、息子たちもまた画家で、中でも長男のリュシアンはイギリスに渡って活動していたことから、イギリスを描いた作品も展示されており、興味深いものがありました(ポストカードをU.K. Postcard Galleryでご紹介しています)。本展では、1683年に開設されたイギリス最古の美術館、アシュモリアン美術館のコレクションから、ピサロの作風に影響を与えたコローやミレー、親交のあったクールベ、マネ、ルノワールらの作品も紹介されていました。この美術館ではこんなにいろいろな作品を所蔵していたのですね。私はオックスフォードにいた当時、この美術館はいつも外から眺めるばかりで中を見てこなかったので、今ごろになって後悔した次第です。

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2008年6月12日 (木)

Item181 パンクの精神

Herbie 神戸の栄町で開かれているハービー・山口氏の写真展「The Big Love」に行ってきました。ハービー氏といえばパンク・ロック。パンクが全盛だった1970年代から80年代をロンドンで過ごした氏は、ロッカーたちの素顔を生き生きととらえ、高い評価を受けました。今回の写真展は、音楽やファッションで自己表現して現状を打破しようというロッカーたちの姿を見て、現代の日本人にも元気や希望を取り戻してもらえればという思いをこめて、過去の作品を再セレクションしたとのこと。ハービー氏が地下鉄で出会って会話を交わし、大きな影響を受けたというザ・クラッシュのジョン・ストラマーのポートレートも、もちろんありました。私も、パンクを含めてブリティッシュ・ロックを聴いて育った年代。ハービー氏の作品を見ていると、あのころの勢いや熱さがよみがえってくる気がしました。このほか今回の写真展では、リージェント・パークでホッケーをしている女子学生たちの写真など、心がほっと和む、当時のロンドンの風景も見られます。ポストカードも購入してきましたので、そちらはGalleryのコーナーでご覧ください。会場となっている<TANTO TEMPO>さんは、5月にオープンしたばかりのフォト・ギャラリー。併設されているライブラリー・カフェでは写真集やコーヒーなどが楽しめるようになっていて、どこを取ってもスタイリッシュな空間。ハービー氏の写真展は7月6日まで開催されていますので、栄町散策の際にはぜひ立ち寄ってみてください。

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2008年6月11日 (水)

Item180 かわいいイギリス

Triton 神戸の北野坂にある<TRITON CAFE>さんで、イギリスのかわいいものを集めた展示会が開かれるというので、さっそく初日に行ってきました。この展示会は、雑貨の書籍などでご活躍中のカメラマン大段まちこさんとインテリア・スタイリスト堀江直子さんのおふたりが書かれた『かわいいイギリスの雑貨と町』(ピエ・ブックス)の発刊を記念してのもの。TRITON CAFEさんはいつも人気のお店ですが、この日は開店と同時に「イギリス好き」らしき人々が集まって、にぎわっていました。壁には『かわいいイギリスの……』に掲載されていた写真の数々が貼られ、その下に置かれた展示台にはおふたりがイギリスで買いつけてこられた雑貨が並べられていて、もうたまりません! イギリスの家庭で定番の素朴な形をしたティーポットや、キューガーデンやテートギャラリーなどのグッズ、エコバッグ、キッチン用品などなど。その中で私が買ったのはTetleyの紅茶。イギリスにいたときには、安くて手軽なこの紅茶をよく飲んだので、懐かしくて。ティーバッグの形が日本と違ってラウンド型で、それがまたかわいいのです。ポストカードも買ってきましたが、そちらはGalleryのコーナーでご紹介しています。あと、惜しかったのはチーズナイフ。刃物の町シェフィールド製で、チーズを切ったり離したり刺したりできるよう刃の形が工夫されていて、ハンドルが白でかわいかったのです。初日は買わずに帰ってきたのですが、やっぱり欲しくなって昨日行ってみたら、もう売れてしまっていました。こういうものは、見つけたときに買っておかないとダメですね。ああ、残念。展示会は17日まで開かれているそうなので、興味がおありの方は、ぜひ行ってみてください。

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2007年8月 8日 (水)

Item154 アイリッシュダンス

Ragus アイルランドのアラン諸島からやってきた「ラグース」のショーを観てきました。実は、アイリッシュダンスを生で観るのは初めてで、あのステップはどうなっているのかしらと食い入るように見つめていましたが、とうとうわからずじまい。まさに目にも止まらぬ早業でした。それに、背筋をぴんと伸ばした女性ダンサーたちの立ち姿の美しいこと。その姿を、シンプルながら色鮮やかな衣装がさらに引き立たせていました。男性陣のハードシューズダンスはパワフルで圧巻。彼らの靴はまるで楽器のようにリズムを奏でていました。バックのミュージシャンはパイプ、フィドル、アコーディオン、キーボード、ギターの5人。彼らの奏でるアイルランドの伝統曲の数々は聴きごたえたっぷり。アコーディオンのファーガル・マーフィ氏は、このショーのプロデューサー兼音楽監督を務めている人で、実に芸達者。演奏だけでなく歌声も素晴らしいし、日本語を交えたユーモアたっぷりのおしゃべりで会場を楽しませてくれました。ダンスの合間には、「アイルランドの歌姫」マーガレット・ブレナンが登場。『You Raise Me Up』などの名曲を、心が洗われるような美しい声で聴かせてくれました。「ラグース」は「リバーダンス」とはまたひと味違って、ダンスと演奏と歌がバランスよく組み合わされた、お祭りのように楽しいショーという感じ。おかげで帰り道は、ぴょんぴょん飛び跳ねてしまいそうになって困りました。。。

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2007年4月11日 (水)

Item144 オルゴール館

Hall_1 満開の桜に誘われて、どこかに出かけたくなり、六甲にあるホール・オブ・ホールズを訪ねてきました。ここの庭と、Item100と101でご紹介した六甲ガーデンテラスの庭を手がけられたのは、ガーデンデザイナーのトモコ・ウェアリングさんとマイケル・J・クローニンさんのお二人。日本の庭は施工が完了した時点でほぼ100パーセント完成という感じですが、お二人は、施工完了時を第二のスタートとしてメンテナンスにもこだわって庭をじっくり育てていくという、本物の英国庭園造りを目指しておられるそうです。ここホール・オブ・ホールズの庭は、イングリッシュ・ロックガーデンの石組みにシュラブと草花を組み合わせてあって、建物ともうまく調和するように造られていますが、お二人のHPで施工以来の写真を拝見すると、年々少しずつ変化していっていることがよくわかります。また、建物の側面にはイングリッシュ・ウッドランドガーデンが施され、裏手には池やカフェのテラス席と、どこから見ても絵になる風景が広がっています。建物の中には世界各国のアンティークのオルゴールが展示されており、それらを見るだけでなく実際に聴くことができます。仕掛けがおもしろく、その美しい音色には圧倒されました。このコンサートは内容が毎回変わるそうで、何時間いても楽しめそうです。体験工房もあり、オルゴールを作ってみたら、これがおもしろくて! 微妙な調整で音がまったく違ってくるので、もう少し、もう少しと、すっかりはまってしまいました。オルゴールを堪能したあとは、建物横手のナチュラルガーデンを散策。ここに設けられている木道橋を渡っていくと、隣接する六甲高山植物園へ行けるようになっていますが、今回は時間がなかったので見送り。またアジサイのきれいな季節にでも行きたいと思っています。そのころには、トモコ・ウェアリングさんとマイケル・J・クローニンさんが手がけられた六甲山カンツリーハウス内のローズウオークもグランドオープンとのことなので、ますます楽しみです。Hall_2_3 Hall_3_3

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2006年4月 3日 (月)

Item116 スコットランドの画家たち

Scotland 奈良県立美術館で開催中の「スコットランド国立美術館展」を観てきました。エディンバラにあるスコットランド国立美術館は、フランス近代絵画の充実したコレクションで知られています。19世紀のスコットランドとフランスは、イングランドに対して共通の敵対感情を持っていたことから、両国の間で交流が盛んに行われていました。エディンバラの地に、これほど多くの印象派系の作品があるのもそのためだということです。今回はその中から、コロー、モネ、ルノワールなどのフランス印象派と、キャメロンなどの19世紀スコットランドの画家たちの作品95点が紹介されていました。個人的に目を引かれたのは、グラスゴー・ボーイズと呼ばれた画家たちの作品でした。グラスゴー・ボーイズとは、エディンバラと並ぶ大都市グラスゴーに集まった若い画家たちのグループのことで、自然や農村の情景、エキゾチックな異国の風景などを好んで取り上げていたようです。まだ行ったことのないグラスゴーを訪れて、彼らの作品をもっとたくさん観てみたいという気にさせられました。

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2006年3月 5日 (日)

Item114 タイルに魅せられて

Tokoname_2_2 Tokoname_1_2 今ごろになりましたが、お正月に出かけた世界のタイル博物館のご報告を。愛知県常滑市にあるこの博物館には、古代から近代までの世界のタイル約1000点が、地域別に分けて展示されています。とくに興味深かったのは、エジプトのピラミッドの中にあった世界最古の施釉タイルと、イギリスのヴィクトリアン・タイル。ヴィクトリア時代には銅板転写による大量生産が可能になったため、多種多様なタイルが生産されました。その一方で、従来の手仕事を見直すアーツ・アンド・クラフツ運動が興り、タイル・デザイナーのウィリアム・ド・モーガンは、手描きの傑作を残しました。この博物館ではその両方が見られます。また、館内の床の模様張りタイルも見もの。19世紀イギリスの教会や公会堂の床に使われたタイルを現在の技術で再現したもので、そのデザインは、Item37とItem84でもご紹介したハンター邸の玄関床のタイルをもとにしているそうです。右の写真は、イギリスのストーク・オン・トレントで使用されていたボトルオーブン(昇炎式の石炭窯)。こうした窯の説明もパネルで展示されています。下の写真は、帰りに寄った刈谷ハイウェイオアシスのデラックストイレ。カーペット敷きでソファーセットが置かれ、まるでホテルのロビーのよう。タイル博物館のコレクションがここにも展示されていて、びっくり!Tokoname_3_6

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